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大震災から学ぶこれからの家造り
木の住文化を学ぶ会 第1回京都セミナー報告
平成23年11月19日(土)天候はあいにくの雨。そのような足元が悪い中にも関わらず、たくさんの方々に来て頂いくことができました。ご来場下さいました皆様にこの場をお借りして改めてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
参加者は約130名。京田辺市商工会館4階キララホールにて、予定通り10時から講演が始まりました。
セミナー1
東京大学教授
神田 順
安全な建物とは
セミナー2
神田順氏は専門的なお話をして下さいました。
以下、講演でされていた話の要約です。

人工で物を造ればそこに危険が発生します。そのために建築基準法は存在するのですが、その法には強制力が伴い、「基準法にさえ則っていれば危険ではない」という考えが生まれます。その考えは建築に関わる人や国民に慢心を生むことに繋がり、危険なことです。

そもそも建築基準法ができる前から家は建てられており、その家が安全ではなかったということはありません。昔の家は大工さんの経験による知識と周りの住人達の理解によって建てられていたのです。これは「理解すること」「信頼すること」「合意すること」によって安全性が保たれていたことを意味しています。
このことから、伝統木造は安全性のある、新しい建築制度として見直すことができると思います。これからの建築に必要なことは、国民が「理解」できる法律体系を築き、国民が「信頼」し、社会的「合意」を元に建てられるようにしていくことなのです。
最後に、国からの視点で見るのではなく、自分の視点から見ることも必要だとうことを述べておられました。国から見てどうなのかではなく、自分が見てどう思うのかということを基準にすることも大切だということです。
金沢工業大学教授
後藤 正美
伝統木造住宅とは
セミナー3
後藤正美氏は動画などを使ってお話をして下さいました。
以下、講演でされていた話の要約です。

工業化住宅が「安く・早く・簡単に」を推進したことによって、伝統建築は衰退の一途を辿っています。
天然素材の使用・CO2の固定化・木を育て、木を使うリサイクル・精神的安定など伝統建築には見直されるべき点がたくさんあります。その伝統建築を普及していくには、品質の安定(大工の技術の均一化など)・安全性の確保・耐震性といった課題があげられるのです。

以下、検証実験の動画の話です。

その課題を検証するために行っている耐震実験などの動画を見ながら、いかに伝統建築が柔らかく粘りがあり、変形作用が高いかという解説をしておられました。
動画は伝統建築の石場建てと建築基準法に基づいた建物に同じ震動をおこして、家がどのように変形するかを検証したものでした。家自体の変形だけでなく、中の家財なども映っており、建築基準法のものは家財が倒れたのに対して、伝統建築の方は倒れずに持ちこたえていました。構造を似せても伝統建築の方が地震に強いことがよくわかる動画でした。
パネルディスカッション
これからの家づくり
セミナー4
1 一般社・ワークショップ「き」組
代表理事大工育成塾講師
最近、福井の古民家を手掛けたが、なぜ200年も大丈夫なのか不思議に思います
  松井 郁夫 氏
2 京都名工 瓦職人 阪神大震災以降、瓦は重い、葺きは重いと言われ、最近は引っ掛け工法となっています。屋根は軽くなりましたが、重力は大丈夫か心配です。日本の瓦は1400年の歴史があり、原型も変わらずどうしても日本の瓦を残しおきたいです。
  小林 翰生 氏
3 大工棟梁 田村工務店(有) プレカットが主流になり、金物で止める家が建築基準法になっているので、昔使った工法技術が使えなくなりました。伝統構法は時間がかかり、施主に理解してもらう必要があります。
  田村 敬 氏
4 一般社・ワークショップ「き」組
代表理事大工育成塾講師
小林さんと田村さんにエールを送りたい。
プレカットのために金物で補強しなければならない家も、手仕事で建てられた家も、建ってしまうと解らないのが残念です。木と金物は基本的に合わないので、ボルトで締めてもゆるんできます。
  松井 郁夫 氏
5 伝統木工の会(会場から) 私は山形県から来ました。大工になれるかなぁと思うほど大工は奥が深く、大工になるための努力を常に続けています。山形でも80%〜90%がプレカットになっています。
  劔持 氏
6 進行 (株)伸工務店 エコ住宅といわれているが、もともと日本の住宅は考えなくてもエコでした伝統木造はこれから法律化が課題です。
  上池 伸 氏
全体のまとめ
1 東京大学教授 戦後いかに効率的に早く家がたくさんできるかで国がきてしまったと思います。
将来、木を生かすかことが大きなテーマとなっています。
基準法によって守られている点と逆に邪魔している点があります。
  神田 順 氏
2 金沢工業大学教授 今は家を買っているという認識が強いですが、本来、家は造るものです。昔は自分の家はどこの木で建てられているかを知っていました。今は木を知ることが出来ない状態にあります。
  後藤 正美 氏
3 一般社・ワークショップ「き」組
代表理事大工育成塾講師
後藤先生のお話と動画を拝見して、伝統木造の家は歩くんだと知りました。(柱に余裕があるので、揺れを吸収して歩く様に動くから)
  松井 郁夫 氏
終始解りやすく講演して下さった講演者の方々に感謝いたします。
セミナー5
最後になりましたが、後援の国土交通省近畿地方整備局・(財)住宅産業研修財団・(一般社)伝統を未来につなげる会・京田辺市・京田辺市商工会に感謝いたします。

尚、入口で東日本大震災の復興支援金を募っていたと思います。株式会社 伸工務店より3,476円の支援金が集まったという報告は受けておりますが、寄付先はまだ決まっていないとのことです。このことに関しましてはウッドラクティブは関与しておりません。
支援金を集めた以上、皆様の善意は1円であっても寄付し、それを開示することが義務です。復興支援金の詳細を知りたい方は下記へのお問い合わせをお願い致します。

連絡先
NPO法人 伝統木構造の会 京都事務局準備会
京都府京田辺市大住内山 21
株式会社 伸工務店
TEL 0774-65-4903
FAX 0774-64-4458